暮らしと仕事を両立する実家リノベーション
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築49年 / 57坪
築49年の実家を活かした、ブックカフェ開業
お施主様には長年、本に関わる仕事に携わってきた経験があります。帰郷を機に、ご両親の思いが詰まった実家を舞台に、本屋とカフェを始めたいという構想が、今回の計画の出発点となりました。
相談当初の主な課題は、ご両親との同居を前提とした生活動線の整理と、ブックカフェとしての店舗ゾーニング、そして現実的な費用感でした。築49年の建物は、これまでに増改築を繰り返してきた経緯があり、構造的な大きな問題や傾きは見られなかったものの、露出した給排水や電気配線など、設備面では多くの課題が確認されました。
当初は理想を反映した改修案から検討を始めましたが、最終的には予算を最優先に考え、施主様自身が手を加えながら完成させていく「ハーフビルド」的なリノベーションへと方針を定めました。過度に作り込まず、時間とともに手を入れていける余白を残すことで、素朴で風合いのある空間を目指しています。
天井を躯体表しとしたのも、コスト調整の意味合いだけでなく、雨漏りの可能性があったルーフバルコニーの状態を今後も確認していくための合理的な判断でした。
床仕上げは用途に応じて使い分け、店舗部分には30mm厚の足場板、厨房や洗面・トイレにはフロアタイルを採用。壁は塗装仕上げとし、厨房の一部には型枠用ベニヤを使用しました。天井は場所ごとに仕上げを変え、厨房や洗面・トイレは塗装、旧和室は既存のまま残し、店舗前側の2室は天井を解体して躯体表しとしています。建具は既存戸を活用しつつ、カウンター上のランマや厨房入口には保管していた建具を再利用しました。厨房機器は施主支給とし、給湯器は既存のものを継続使用。ブックカフェ出入り口兼用のウッドデッキを新たに造作し、既存のアルミバルコニーも一部加工して床を張り替え、デッキとして再生しました。
お施主様のブックカフェは「TOKU BOOKS」と名付けられました。本と出会うことで「得」した気分になる。本を読み「徳」を積む。本を読んで疑問を「解く」。本をテーマに「トーク」が弾む。そして、お店が訪れる人の「役割を解く」場所になりたいという思いが込められています。
ご実家を活かした、施主様自身が関わり続けられる暮らしと仕事。大好きな本に囲まれながら過ごす日常が、この場所で穏やかに息づいています。
TOKU BOOKS – 茨城県 下妻市
https://tokubooks.com/











