リノベーションと私
これまで
住宅や古民家、時に店舗のリノベーション、そしてその流通の現場に立ち、25年の月日が経ちました。
ここ数年でようやく私は、自身の経験に胸を張れていることに気づきました。
私の建築原体験は、小学生の頃。
酒屋だった実家の段ボールでスクラップ&ビルドを繰り返した「段ボールハウス」です。
高校の寮では、その部屋にあるスチール家具のレイアウトで、同級生を驚かすことに凝りました。
佐賀の田舎を離れ、大学生として建築を学びました。
仕事として現場に立ってからは学ぶというより、真似ることに無我夢中だったような気がします。
設計業務に限らず、不動産取引や営業などの業務。
お客様や職人さんとの様々なやり取りを通じて、時に失敗やトラブルに対応しながら、私の経験は積み重なります。
そして何より、お客様の喜びが私のエナジーでした。
これからもそうでしょう。
これから
当たり前ですが、リノベーションが新築と決定的に違うのは、「既存の建物」をスタート地点に置くことです。
そして「既存の建物の扱い方」を極めることが、リノベーターの最終目標であるべきです。
「既存のものを残すこと」で、愛着やノスタルジーが伴い、そしてコストダウンにつながります。
そのことがリノベーションでお客様が喜ばれる主な理由だとも、私たちは理解しています。
また、「既存のものを残すこと」が先の足枷にならないように考慮することも、同じくらい重要です。
空間の活用や持続可能性、断熱や耐震などの機能にも、新築同様にデザインされなければなりません。
もっと言うと、住まいは「人」が住む為に在ります。
住まいに「人」が縛られないよう、コストバランスはもちろんのこと、何かの目的や突発的な出来事に備え、売ったり貸したりという「不動産(資産)」としての側面も、リノベーターは検討べきだと思います。
このようなことをようやく、言葉や図面、施工実例に乗せて発信できるようになりました。
今までの経験1つ1つ、関わっていただいた皆々様へ感謝し、社会貢献できれば幸いです。