二世帯リノベの未来像
- わが家
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築43年 / 48坪
心地よい距離感を大切にした、令和の二世帯住宅設計。Re balance.
実家を直して二世帯にすることを検討されていた施主様。
出会いは、2024年秋に開催した和造り平屋のリノベーション見学会でした。
“建て替え”ではなく“再生”という選択には、長年暮らしてきた家への愛着と、これから家族で過ごす時間を大切にしたいという思いが込められています。
外観はこだわりの和風住宅としての佇まいをそのままに、内部では真壁と大壁を使い分けて断熱施工を施し、冬も快適に過ごせる住まいへとアップデートしました。見た目は元の造りを継承しつつ、性能は現代の水準に。施主様のお父様のこだわりと設計の工夫が調和した一棟です。
既存材を活かした温もりあるデザインも、この住まいの特徴です。LDKや和室、広縁の天井は既存仕上げを残し、古いカリン板や差し鴨居、竹縁材を丁寧に再利用。長年親しんできた建具を活かすことで、懐かしさと新しさが共存する空間に仕上げました。
間取りは暮らし方に合わせて大きく一新。南側の和室と広縁をつなげてリビングを拡張し、吹き抜け天井から丸太梁を現し、薪ストーブを設置。家族が集うあたたかなリビングには、ピアノスペースやセカンドリビングも設け、親世帯・子世帯が程よい距離感を保ちながら快適に過ごせる空間にしました。
構造面でも、快適性と安心を両立。床・壁・天井の断熱施工に加え、窓21カ所と玄関ドアをすべて交換。耐震補強によって安心して暮らせる性能を確保しています。さらに水まわりや設備もすべて新設し、収納計画やバリアフリーにも配慮しました。
築年数を重ねた実家をリノベーションし、親と共に暮らす。そんな住まい方が、令和の時代に新しいスタンダードになりつつあります。家族の絆を大切にしながら、安心と快適を兼ね備えた暮らしを叶える二世帯リノベーション。その一つの形を、この住まいが物語っています。










