継承と刷新 築百五十年の古民家再生
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築 150年 /60坪
築百年超えのぬくもりと共に、穏やかに紡がれる現代の暮らし
施主様との出会いは、弊社が開催した古民家再生見学会にご来場いただいたことがきっかけでした。
かつてご家族が庄屋を営んでいた築150年以上の古民家。「地域に開かれ人が集う場所としても親しまれたい」という想いと、「古いものは作れない」というこだわり。
施主様のアイデアを随所にちりばめた「唯一無二」の空間が完成いたしました。
現地調査で明らかになったのは、北側桁の腐食や無断熱の問題。そこで、減築や屋根形状の整理、断熱性能の向上、構造補強などを実施しました。具体的には北側の腐食桁交換、不陸柱のジャッキアップ・足固め、耐震計算に基づく補強壁の配置、床下・屋根・窓の断熱施工などを行っています。
内装では、既存の天井や建具、床など素材の美しさを最大限に活かし、古材の趣を現代に継承。間取りは従来の構成を尊重しつつも、より暮らしやすい動線となるように再構築しました。和風建築の古き良き佇まいを生かしつつ、新たな機能を刷新することで、ご家族がゆったりと心地よく過ごせる和モダンな住まいへと変わっています。
外観・外部も丁寧に手を入れました。減築に伴う屋根の整理、漆喰調サイディングや下見板の張替、愛猫たちがのびのびと過ごせる隠れ家のような空間の新設など、必要な箇所に新設・再利用を組み合わせています。サッシは全て交換し、ガラスには防犯フィルム施工。雨樋は一部交換、一部既存活用としました。
約8カ月の施工期間を経て完成したこだわりの住まいには、同じ時を重ねた家具やアンティーク絨毯が彩りを添え、細部まで丁寧な空間に仕上がりました。
施主様が思い描く理想の暮らしを叶えるこの住まいで、愛猫たちとともに、これからの日々が穏やかに紡がれていきます。