筑波山の麓に佇む和造平屋をリノベーション
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築 50年/35坪
紫峰の風と家族のつながり、深呼吸して、はじめる新な暮らし
きっかけは、弊社の見学会にご来場いただいたご両親が、息子さんご家族にお声がけくださったことでした。ご家族は、お子さまの幼稚園入園をひとつの節目と捉え、新築にするか、ご実家をリノベーションするかを思案していました。
自然豊かな筑波山の麓に佇む築約50年の和造平屋。かつて御祖母様が暮らしていたこの住まいは、柱や梁などの骨組みがしっかりしていたため、それらを活かしながら、住宅としての基本性能向上に重点を置いたリノベーションを行いました。
田の字に和室が並ぶ伝統的な間取りは、中央にリビングを据える大胆なプラン変更によって、視線がすっと通り、空間同士が緩やかにつながる住まいへ。落ち着きある和の趣を残しながらも、現代の暮らしにフィットする和モダンなデザインに生まれ変わりました。
内装では、身長180cmを超えるご主人にとって、和建築の規格「5尺8寸(約175cm)」の建具は、頭を下げて鴨居をくぐらなければいけないため、日常の動作にストレスを感じる要因となってしまいます。構造上外せない差し鴨居に代わり、床を下げる工法をご提案。柱の足元には細やかな調整を加え、違和感のない仕上がりとしました。床の高さを下げたことで既存の建具とのサイズにずれが生じましたが、建具自体はそのまま活かし、上枠と下枠を補う加工で美しく調整しています。
断熱性能の向上にも力を入れ、すべての窓サッシをペアガラスに交換。国の補助金制度を活用し、夏も冬も室内が快適に保たれる空間を実現しました。また、耐震性については専門の耐震計算に基づき、約17か所に補強壁を配置。これにより、既存の状態に比べて大幅に耐震性能が向上しています。
玄関まわりでは、ケヤキ材の式台や上がり框を丁寧に組み直し、新しい空間の中にしっくりと馴染ませています。飾り窓には、かつて欄間として使われていた建具を再利用。以前の面影をさりげなく偲ばせています。
紫峰の風吹く山の麓。ご家族のこれからに寄り添う平屋の住まい。
ふと深呼吸して、新しい暮らしがはじまります。